ドイツ語の命令法(命令形)は2人称の種類で変化する。
命令法は誰かに「・・・しなさい(してください)」と伝える文なので、必然的に対象は2人称になる。3人称で「彼は・・・しなさい」とは文意から成り立たない。人名によって指示したとしても「太郎、あなたは・・・しなさい」ということになり、結局命令法は2人称でしか成り立たない。
ただしドイツ語では2人称に単数のdu、複数のihr、そして尊称のSieの三種類がある。従って単純に「2人称のみ」とは言っても一つ覚えればいいというわけではないので注意。
duの命令法
「動詞の2人称変化 - st」が基本。つまり規則変化の場合は語幹がそのまま命令法になる。語幹の語尾が-dまたは-t、もしくは不定詞の語尾が-eln、-ernの場合、語尾に-eが追加される。(-elnと-ernはeが省略されて-lne、-rneとなることもある)ただしこれらは「原則」であり、実際に辞書で調べると案外法則に当てはまらないものもある(※後述)。2人称で不規則変化する動詞の場合、不規則変化した形の語幹が基本となり、語尾によってeを追加する。ただしこの不規則変化の語幹はa→äのようなウムラウトの変化は元の形に戻す。
基本形:語幹(zb. gehen - geh, lernen - lern[e])
d、t、eln、ern:語幹にe(zb. leiden - leid[e], reden - rede, erinnern - erinn[e]re)
不規則変化:2人称変化形の語幹(zb. sehen - sieh[e], essen - iss, fahren - fahr)
例外:sein - sei
※規則変化の中で起きるeの有無について
法則なし。しかし覚える必要はない。上の変化形の例は一応全て辞書で調べてあるが、[e]と示されているようにネイティブドイツ人でも[e]の有無は明確にされていない。従ってこのeの有無を問われることはないと思っていい。細部にとらわれずduの命令法は語幹+[e]とだけ覚えておく。
ihrの命令法
ihrの現在人称変化と全く同じ。つまり語幹+t、語尾がdまたはtの時は語幹+et。例外はない。
基本形:語幹+t(zb. sehen - seht, sein - seid)
d、t:語幹+et(zb. töten - tötet, reiten - reitet)
Sieの命令法
不定詞のまま。
基本形(例外なし):不定詞(zb. sein - sein, haben -haben)
試験で命令法が問われた場合
まず命令対象がdu、ihr、Sieのどれに当たるかを特定する。duとihrの場合は命令対象が省略されることもあるので、文意をつかんで対称を特定すること。Sieであれば、不定詞を選んで終了。ihrの場合は語幹の語尾を見て、語幹+tか語幹+etを判断。duの場合は動詞の2人称単数変化を考え、不規則変化なら不規則変化の語幹+[e]を選択、規則変化の場合は語幹+[e]を、seinの場合のみseiを選択。これで命令法の問題はバッチリだ。